はじめに

現代の技術進歩により、歴史的な遺産や文化的な財産をデジタルで保存し、未来に伝えることがますます重要になっています。2015年、私たちワールドエリアネットワークスは、広島市からの依頼で、原爆ドーム内をVR映像で撮影し、デジタルアーカイブとして保存するプロジェクトを手掛けました。この経験を基に、VR技術によるデジタルアーカイブの重要性についてお話しします。

実際に撮影編集したVR映像はこちらからご覧ください

原爆ドーム内のVR映像制作

2015年、私たちは広島の原爆ドーム内でのVR映像制作を行いました。このプロジェクトでは、最新のVR技術を駆使してドーム内の詳細な映像を撮影し、デジタルアーカイブとして保存することを目指しました。2015年当時はまだVRカメラ等の製品は無く、GoProを6台組み合わせたリグを自作し、ドームの内部を撮影し、360°映像として制作を行いました。この映像は、原爆ドームの歴史的価値を保護し、後世に伝えるための重要な資料となっています。

デジタルアーカイブの重要性

デジタルアーカイブの最大の利点は、歴史的遺産を劣化させることなく保存できる点です。物理的な建造物や資料は、時間の経過とともに劣化し、損傷する可能性があります。しかし、デジタルアーカイブとして保存することで、これらの遺産をいつでも、どこからでもアクセス可能にし、後世に正確に伝えることができます。

VR技術による新しい体験

VR技術を活用することで、単なる記録に留まらず、より臨場感のある体験を提供することができます。原爆ドーム内のVR映像は、訪問者に対して当時の情景や雰囲気をリアルに感じさせることができます。これにより、歴史的な出来事をより深く理解し、感銘を受けることができるでしょう。

教育と普及活動への活用

デジタルアーカイブは、教育現場や普及活動にも大いに役立ちます。学校の授業や展示会などでVR映像を活用することで、学生や一般の人々が歴史に触れやすくなります。原爆ドームのVR映像は、広島の歴史を学ぶ上で非常に貴重な教材となり、多くの人々に戦争の悲惨さや平和の大切さを伝える手段となります。

最後に

ワールドエリアネットワークスは、VRの創成期からVRコンテンツを制作し、時代を追うごとに新しい技術を取り入れたVRやXR制作を行ってきました。
2015年に手掛けた原爆ドーム内のVR映像制作は、現代のクオリティで見るとまだまだ粗い映像ではありましたが、当時の最新技術を使用し、歴史的遺産をデジタルアーカイブすることの重要性を強く実感させるものでした。

デジタルアーカイブは、物理的な劣化を防ぎ、いつでもどこからでもアクセスできる形で歴史を保存する手段です。特にVR技術を用いることで、単なる記録を超えた臨場感ある体験を提供し、歴史的な出来事をより深く理解する助けとなります。

ワールドエリアネットワークスは、これからも最新技術を駆使して、貴重な歴史的遺産を未来に伝えるためのデジタルアーカイブの制作に取り組んでいきます。デジタルアーカイブの重要性を認識し、技術革新を続けることで、次世代に価値ある歴史を伝えていくことを使命としています。